こんにちは、NIMOです。2024年7月8日、漫才トリオ「かしまし娘(かしましむすめ)」の次女で女優の正司照枝(しょうじ てるえ)さんが91歳で亡くなりました。明るい音曲漫才で人気を博し、上方演芸の殿堂入りも果たした正司照枝さんの生涯を振り返ります。
正司照枝さんのプロフィール
北海道小樽市出身の正司照枝さん。幼少期から芸能に親しみ、姉妹で活躍します。
北海道出身の4姉妹の次女
正司照枝さんは1933年3月15日、北海道小樽市で4姉妹の次女として生まれました。父親は地方巡業の一座の座長で、幼少期から芸能の世界に親しみました。姉の歌江(うたえ)さん、妹の花江(はなえ)さんも後に「かしまし娘」のメンバーとなります。
3歳から舞台経験を積む
父親が旅役者だったため、正司照枝さんは3歳の頃から舞台に立ち始めました。幼い頃から姉の歌江さんとコンビを組み、「天才少女姉妹漫才コンビ」として注目を集めます。歌や踊り、楽器演奏など多彩な才能を発揮し、芸を磨いていきました。
かしまし娘の音曲漫才で人気
1956年に姉妹で結成した「かしまし娘」。三味線やギターに乗せた明るい歌とトークが話題となり、大阪の演芸界をリードしました。
1956年に3姉妹で結成
1956年、正司照枝さんは姉の歌江さん、妹の花江さんとともに漫才トリオ「かしまし娘」を結成します。当時の芸名は「カシマシ娘」でしたが、劇場の看板でひらがなの「かしまし娘」と書かれたことから、そのまま定着しました。松竹芸能に所属し、本格的な活動を開始します。
明るい歌とトークが話題に
かしまし娘の漫才は、三味線やギターの生演奏に乗せて歌や軽快なトークを繰り広げる音曲漫才でした。正司照枝さんはリズムギターを担当し、男勝りでテンポの良いしゃべりが持ち味でした。「うちら陽気なかしまし娘」の歌い出しで知られるテーマソングは大阪の名曲としても親しまれ、明るくにぎやかな雰囲気で人気を集めました。
数々の賞を受賞し殿堂入り
上方漫才大賞の初代受賞者となったかしまし娘。半世紀以上にわたる活躍が称えられ、2018年には上方演芸殿堂入りを果たしました。
1966年に上方漫才大賞
1966年、かしまし娘は第1回上方漫才大賞を受賞します。当時、吉本興業よりも勢力があった松竹芸能の看板芸人として、大阪の演芸界をリードしました。以降も数々の賞を受賞し、関西のお笑い黄金時代を築いた功労者の一人となりました。
2018年に上方演芸殿堂入り
2018年、かしまし娘は大阪府立上方演芸資料館の「上方演芸の殿堂」入りを果たしました。音曲漫才のパイオニアとして関西演芸史に名を残し、半世紀以上にわたって親しまれてきた功績が称えられました。正司照枝さんは91歳になっても3人で舞台に立ち、話題を呼びました。
女優としても幅広く活躍
かしまし娘の活動休止後、正司照枝さんは女優に転身。ドラマや映画など幅広い作品で存在感を示しました。
朝ドラ「カーネーション」など出演
1981年にかしまし娘の活動を休止した後、正司照枝さんは女優として幅広く活躍しました。NHK連続テレビ小説「カーネーション」では主人公の祖母役を好演。他にも「だんだん」や、TBSドラマ「陸王(りくおう)」など数多くの作品に出演し、存在感を示し続けました。
映画「ALWAYS」シリーズにも出演
映画でも活躍した正司照枝さん。2012年公開の「ALWAYS 三丁目の夕日’64(オールウェイズ さんちょうめのゆうひ ろくじゅうよん)」をはじめ、「ALWAYS」シリーズに出演。「ペコロスの母に会いに行く」「毎日かあさん」など、様々な作品で母親役や祖母役を演じ、温かみのある演技が光りました。
91歳で急性心臓死のため死去
2024年7月8日、正司照枝さんは自宅で急性心臓死のため91歳で亡くなりました。姉の歌江さんの死去からわずか半年、最期まで穏やかな様子だったそうです。
2024年7月8日に自宅で逝去
2024年7月8日午後6時頃、正司照枝さんは大阪市内の自宅で急性心臓死のため亡くなりました。享年91歳でした。姉の歌江さんが同年1月に他界したばかりでしたが、最期までいつもと変わらぬ穏やかな様子だったそうです。
姉の歌江さんの死去から半年、妹・花江さんコメント
妹の正司花江さんは「亡くなった当日もいつもと変わらぬ様子で誰の手も煩わせることなく静かに逝きました。子供の頃からずっと一緒に過ごした姉の死をまだ受け止めることができません。今もまだ隣にいるような気がします」とコメントを寄せました。姉の歌江さんを亡くしてからわずか半年、かしまし娘としての思い出が、花江さんの中に深く刻まれています。
まとめ:正司照枝さん死去 かしまし娘の音曲漫才で人気
3姉妹漫才トリオ「かしまし娘」の次女で女優の正司照枝さんが2024年7月8日、急性心臓死のため91歳で亡くなりました。姉の歌江さんの死去からわずか半年での悲しい知らせとなりました。
北海道出身の正司照枝さんは、幼少期から芸能に親しみ、姉妹で「かしまし娘」を結成。1956年から本格的に活動を開始し、三味線やギターに乗せた明るい歌とトークの音曲漫才で人気を博しました。1966年には第1回上方漫才大賞を受賞するなど数々の賞に輝き、2018年には上方演芸殿堂入りを果たしています。
1981年のトリオ活動休止後は、女優としても活躍。NHK連続テレビ小説「カーネーション」や映画「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズなど、多くの作品に出演しました。
最期までいつもと変わらぬ穏やかな様子だったという正司照枝さん。生前のお人柄が偲ばれます。妹の花江さんは「今もまだ隣にいるような気がします」とコメントを寄せています。
明るい音曲漫才で人々を楽しませ、女優としても存在感を放った正司照枝さん。関西演芸史に残る功績を称え、心よりご冥福をお祈りいたします。