血圧上90下50は危険? 脈圧と動脈硬化の関係から血管年齢を若返らせる3つの方法

血圧上90下50は危険? 脈圧と動脈硬化の関係から血管年齢を若返らせる3つの方法

 血圧は、心臓から全身に送り出される血液が血管にかける圧力のことです。血圧は、心臓が収縮したときの「収縮期血圧」と、心臓が拡張したときの「拡張期血圧」の二つの値で表されます。一般的に、収縮期血圧が120mmHg以下、拡張期血圧が80mmHg以下であれば正常とされています。

 しかし、血圧は上と下の値だけで判断するのではなく、その差にも注意が必要です。上と下の差を「脈圧」といい、一般的に30〜50mmHg以内が望ましいとされています。脈圧は、太い血管(大動脈)の動脈硬化の程度を反映する指標であり、大きすぎたり小さすぎたりすると、心臓や脳などの重要な臓器に悪影響を及ぼす可能性があります。

 では、血圧が上90下50という場合はどうでしょうか。この場合、収縮期血圧も拡張期血圧も正常値より低く、「低血圧」と診断される可能性があります。低血圧は、全身に必要な血液が送られず、めまいや立ちくらみなどの症状を引き起こすことがあります。また、脈圧は40mmHgと正常範囲内ですが、平均血圧は70mmHgと低くなっています。平均血圧は、細い血管(末梢血管)の動脈硬化の程度を反映する指標であり、低い場合は末梢の血流が悪くなっていることを意味します。

 つまり、 血圧が上90下50という場合は、低血圧による不調や末梢血管の動脈硬化に注意する必要がある と言えるでしょう。

 今回の記事では、 血圧上90下50という数値がどういう意味を持つのか、低血圧の原因や症状を知ることで自分の健康状態を把握する方法をお伝えします。また、 脈圧や平均血圧から動脈硬化の進行度を判断し、血管年齢を若返らせるためにできる3つの方法もご紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

目次

血圧上90下50とは? 低血圧の原因と症状を知ろう

 それでは血圧が上90下50であった場合、どのような状態なのでしょうか?まずはその原因と症状を聖地していきます。

血圧の上と下の数値の意味と正常値

 まずは基本的なことからおさらいしましょう。血圧は上記のように上と下の2つの数値で表されます。上の数値は最高血圧(収縮期血圧)、下の数値は最低血圧(拡張期血圧)です。

 最高血圧は、心臓が収縮して一番強く血液を送り出したときに測定される数値です。この時、心臓から勢いよく流れ出た血液が動脈壁に当たる力が大きくなります。最低血圧は、心臓が拡張して一番弱く血液を送り出したときに測定される数値です。この時、心臓から流れ出た血液が動脈壁に当たる力が小さくなります。

 健康な成人の血圧は、最高血圧が120mmHg以下、最低血圧が80mmHg以下であることが一般的に言われています。これを正常血圧と呼びます。一方、最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上である場合は高血圧と診断されます。高血圧は、心臓や血管に負担がかかり、健康リスクが高まります。高血圧は、脳卒中や心臓病などの重大な病気の原因になることがあるため、注意が必要です。

血圧上90下50は低血圧に該当する

 では、血圧上90下50という数値はどうなのでしょうか?この数値は正常値からかなり低くなっています。この場合、原因として考えられるのは以下のようなものがあります。

  • 高齢者の場合は、血管が硬くなっていることが原因で、血圧が低下することがあります。
  • アスリートやスポーツ選手など、運動能力が高い人は、安静時の血圧が低くなる傾向があります。
  • 睡眠中やリラックスしているときに血圧が低くなることがあります。
  • 脱水症状になっている場合、血圧が低下することがあります。
  • 薬の副作用で血圧が下がることがあります。
  • 病気(貧血、低血糖症、甲状腺機能低下症など)で血圧が下がることがあります。

 一般的に、最高血圧が90mmHg未満、最低血圧が60mmHg未満の場合に低血圧とみなされます。したがって、血圧上90下50であれば低血圧に該当します。低血圧の場合は、めまいや立ちくらみなどの症状が現れることがあります。また、低血圧の症状は人によって異なります。一般的には、めまいや立ちくらみ、動悸、冷や汗、手足の冷えなどが現れることがあります。

低血圧の原因と症状

 低血圧の原因はさまざまです。以下に代表的なものを挙げます。

  • 睡眠不足や疲れがたまっているとき
  • 食事が偏っているとき
  • 飲み過ぎや喫煙など、生活習慣の乱れ
  • 薬の副作用
  • 病気(貧血、低血糖症、甲状腺機能低下症など)

 低血圧の症状は人によって異なります。以下に代表的なものを挙げます。

  • めまいや立ちくらみ
  • 動悸や息切れ
  • 冷や汗や手足の冷え
  • 頭痛や肩こり
  • 倦怠感や集中力の低下
  • 食欲不振や吐き気
  • 失神や意識障害

 低血圧の症状は、血圧が低いことによって脳や心臓などの臓器に十分な酸素や栄養が届かないことで起こります。低血圧の症状が出ると、日常生活に支障をきたすことがあります。特に、立ちくらみや失神などは、転倒や事故の原因になることがあるため、注意が必要です。

脈圧とは? 血圧の上下差が大きいとどんな危険があるの?

 では次に聞き慣れない「脈圧」とはどういうことでしょうか?また決案の上下差が大きいとどんな危険が潜んでいるのでしょうか?もう少し情報を整理していきましょう。

脈圧とは収縮期血圧と拡張期血圧の差

 血圧には上と下の2つの数値がありますが、その差を脈圧と呼びます。脈圧は、収縮期血圧から拡張期血圧を引いた数値で表されます。例えば、血圧が上120下80の場合、脈圧は120-80=40となります。

 脈圧は、血管の柔軟性や心臓の機能を反映する指標です。一般的に、健康な成人の脈圧は30〜50mmHg程度であることが望ましいと言われています。脈圧が小さい場合は、血管が柔らかく弾力性が高いことを示します。逆に、脈圧が大きい場合は、血管が硬く弾力性が低いことを示します。

脈圧が大きいと動脈硬化が進むメカニズム

 脈圧が大きいということは、最高血圧と最低血圧の差が大きいということです。これは、心臓から送り出される血液の量や速度に大きな変化があることを意味します。このような状態では、血管内壁にかかる負担も大きくなります。

 血管内壁に負担がかかると、傷つきやすくなります。傷ついた血管内壁には、コレステロールやカルシウムなどの物質が付着しやすくなります。これらの物質が積み重なってプラークを形成し、動脈硬化を引き起こします。

 動脈硬化は、血管の内径を狭めて血流を妨げるだけでなく、プラークが剥離して血管を詰まらせる危険性もあります。動脈硬化はさまざまな病気の原因になります。

動脈硬化が引き起こす健康リスク

 動脈硬化は全身の血管に影響するため、さまざまな健康リスクを引き起こします。以下に代表的なものを挙げます。

  • 脳:動脈硬化によって脳への血流が減少したり、プラークが剥離して脳の血管を詰まらせたりすると、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)などの病気になる可能性があります。脳卒中は、失語症や麻痺などの後遺症を残すことがあります。
  • 心臓:動脈硬化によって心臓への血流が減少したり、プラークが剥離して心臓の血管を詰まらせたりすると、心筋梗塞や狭心症などの病気になる可能性があります。心筋梗塞や狭心症は、胸痛や動悸などの症状を引き起こします。
  • 足:動脈硬化によって足への血流が減少すると、末梢動脈疾患などの病気になる可能性があります。末梢動脈疾患は、足のしびれや冷え、歩行時の痛みなどの症状を引き起こします。
  • 大動脈:動脈硬化によって大動脈が弱くなると、大動脈瘤や大動脈解離などの病気になる可能性があります。大動脈瘤は、大動脈が異常に拡張することで、破裂して出血する危険性があります。大動脈解離は、大動脈の内壁が剥離して血液が流れ込むことで、重篤な合併症を引き起こす危険性があります。

血管年齢を若返らせる3つの方法

 さてそれでは、これまでの情報を押さえてうえで、血管年齢を若返らせる3つの方法についてお伝えしていきます。

食事で塩分や糖分を控える

 血圧を下げるためには、食事で塩分や糖分を控えることが重要です。塩分は、水分を体内に留めて血液量を増やし、血圧を上げる作用があります。一方、糖分は、インスリンの分泌を促し、血管を収縮させて血圧を上げる作用があります。

 一般的には、1日の塩分摂取量は6g以下、1日の糖分摂取量は50g以下にすることが推奨されています。食事では、加工食品や外食などに含まれる隠れた塩分や糖分に注意しましょう。また、野菜や果物などの食物繊維やカリウムを多く含む食品を積極的に摂ることもおすすめです。食物繊維は、余分な塩分やコレステロールを排出する効果があります。カリウムは、ナトリウム(塩分)の排出を促し、血圧を下げる効果があります。

適度な運動で血行を促進する

 運動は、血管を柔らかくして血行を促進する効果があります。運動によって筋肉が収縮すると、末梢血管が拡張して血流が増えます。これによって、血圧が下がるだけでなく、心肺機能や代謝も向上し、体重やコレステロールなどの血圧に影響する要因も改善されます。

 運動は、有酸素運動と無酸素運動の両方を行うことが効果的です。有酸素運動は、心臓や肺の働きを高める運動で、歩く、走る、自転車に乗るなどがあります。無酸素運動は、筋肉の力を高める運動で、筋トレやヨガなどがあります。

 運動は、週に3回以上、1回に20分以上行うことが目安です。ただし、無理な運動は逆効果になることもあるので、自分の体力や健康状態に合わせて行いましょう。運動前後には水分補給を忘れずに行いましょう。

サプリメントで血管に必要な栄養素を補う

 食事や運動だけでは不足しがちな栄養素をサプリメントで補うことも、血管年齢を若返らせる方法の一つです。血管に良いと言われる栄養素には以下のようなものがあります。

  • ビタミンC:抗酸化作用があり、血管内壁のダメージを防ぐ効果があります。
  • ビタミンE:抗酸化作用があり、コレステロールの酸化を防ぐ効果があります。
  • オメガ3脂肪酸:血液をサラサラにする効果があり、血栓や動脈硬化の予防に役立ちます。
  • マグネシウム:血管を拡張する効果があり、血圧を下げる効果があります。
  • アルギニン:一酸化窒素を生成する効果があり、血管を拡張する効果があります。

 サプリメントは、食事や運動の補助として用いることが大切です。サプリメントだけで血管年齢を若返らせることはできません。また、サプリメントは医薬品ではないため、効果や安全性には個人差があります。自分に合ったサプリメントを選ぶためには、医師や薬剤師などの専門家に相談することがおすすめです。

まとめ:血圧上90下50は危険?血管年齢を若返らせる3つの方法

 この記事では、血圧上90下50という数値がどういう意味を持つのか、低血圧の原因や症状、脈圧や平均血圧から動脈硬化の進行度を判断する方法についてお伝えしました。以下にポイントをまとめましょう。

  • 血圧上90下50は低血圧に該当し、めまいや立ちくらみなどの症状が現れることがある。
  • 脈圧は収縮期血圧と拡張期血圧の差で、脈圧が大きいと動脈硬化が進むリスクが高まる。
  • 動脈硬化は全身の血管に影響し、脳卒中や心筋梗塞などの病気の原因になる。
  • 血管年齢を若返らせるためには、食事で塩分や糖分を控える、適度な運動で血行を促進する、サプリメントで血管に必要な栄養素を補うなどの方法がある。

 血圧は、私たちの健康にとって非常に重要な指標です。血圧が正常であることは、血管年齢を若く保つことにもつながります。血圧を測定する習慣をつけて、自分の血圧の状態を把握しましょう。また、食事や運動などの生活習慣を見直して、血圧を下げることに努めましょう。血管年齢を若返らせることで、健康で長寿な人生を送ることができます。

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