Mrs. GREEN APPLE、『コロンブス』MVで歴史と文化の認識不足を露呈 公開停止に追い込まれた経緯とは?

こんにちは、NIMOです。2024年6月12日、人気ロックバンドMrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)が新曲『コロンブス』のMV(ミュージックビデオ)を公開しましたが、その内容が人種差別的だと大きな批判を浴び、わずか1日で公開停止に追い込まれる事態となりました。本記事では、この騒動の経緯と問題点を詳しく解説します。

目次

Mrs. GREEN APPLEの新曲『コロンブス』MVが公開直後に炎上

Mrs. GREEN APPLEは2013年に結成され、独特の音楽性とパフォーマンスで人気を博してきたロックバンドです。

『コロンブス』MVの概要と公開までの経緯

『コロンブス』は、飲料大手コカ・コーラ社のキャンペーンソングとして制作された楽曲で、6月12日にYouTube(ユーチューブ)でMVが公開されました。MVではメンバーの大森元貴(おおもり もとき)がコロンブス、若井滉斗(わかい ひろと)がナポレオン、藤澤涼架(ふじさわ りょうか)がベートーヴェンといった偉人たちに扮し、"もしも生きた時代の異なる偉人たちが一緒に旅をしたら?"という想像の物語が展開されます。旅の道中では、500万年以上もの時を越えて出くわした類人猿たちとのホームパーティーなども演出されており、SNS上では「差別的な内容」など批判が寄せられていました。

MVが抱える問題点と批判の声

公開直後からSNS上では、「人種差別的な表現が含まれている」「植民地主義を肯定している」などの批判が相次ぎました。特に問題視されたのは、登場人物の描写や演出における差別的な表現でした。批判を受け、所属レーベルは公開からわずか1日でMVを非公開とすることを決定しました。

『コロンブス』MVに含まれていた差別的表現と歴史認識の欠如

MVには西洋の偉人に扮したメンバーが登場し、島の住民を指導するというストーリーが描かれていましたが、住民の描写に問題がありました。

類人猿と先住民を重ねた描写への批判

島の住民は、サルのような見た目をした着ぐるみ姿で登場します。彼らは未開の存在として描かれ、西洋人に文明を教わる立場に置かれていました。多くの視聴者から、これは先住民を類人猿のように描いた差別的な表現だと指摘されました。人種の多様性への配慮を欠いていると非難の声が上がりました。

奴隷制を連想させる人力車のシーンが物議

また、MVには島の住民が人力車を引かされるシーンがありました。これは奴隷制を想起させると批判されました。コロンブスが新大陸でアフリカ人を奴隷化したことを考えると、人力車のシーンは歴史的事実を無視した不適切な演出だったと言えます。人権への理解が不十分だったと言わざるを得ません。

コロンブスをめぐる歴史認識の変遷と現代社会での評価

かつてコロンブスは新大陸発見の英雄とされてきましたが、近年はその評価が大きく変化しています。

「新大陸の発見者」から「先住民虐殺者」へ

コロンブスは長らく新大陸発見の偉業で称賛されてきました。しかし研究が進むにつれ、彼が先住民を奴隷化し、虐殺したことが明らかになりました。現在ではコロンブスの功績よりも、彼がもたらした悲劇の方が注目されるようになっています。歴史の見方は大きく変わったのです。

米国でのコロンブス像撤去の動きと人種差別撤廃の潮流

欧米では人種差別撤廃の機運が高まる中、コロンブスを称える銅像の撤去が相次いでいます。彼が象徴する植民地主義や人種差別が問題視されているためです。多様性を尊重する現代社会において、コロンブスを無批判に賛美することは許されなくなりました。この潮流を無視したMVの内容が批判を浴びるのは必然だったと言えるでしょう。

Mrs. GREEN APPLEの所属事務所とレーベルによる公開停止と謝罪

批判を受け、Mrs. GREEN APPLEの所属事務所とレーベルは迅速に対応しました。

批判を受けての公開停止の決断

6月13日、所属事務所のProject-MGA(プロジェクト・エムジーエー)とレーベルのEMI Records(イーエムアイ・レコーズ)は共同でコメントを発表し、『コロンブス』MVの公開を停止すると発表しました。批判を真摯に受け止め、MVに問題があったことを認めた上での決定でした。炎上から1日足らずでの英断は評価に値します。

レーベルとは:レコード会社の組織の1つで、アーティストが所属しCDをつくる部門であり、レコードを出すレコード会社とは規模や活動内容が異なります。

歴史と文化への理解不足を認め、再発防止を誓う

事務所とレーベルは、MVに「歴史や文化的な背景への理解に欠ける表現が含まれていた」と認め、制作段階での確認が不十分だったことを謝罪しました。そして二度とこのような事態を招かぬよう、細心の注意を払っていくと誓いました。表現者には多様性への深い理解が求められます。この騒動を教訓として生かしてほしいものです。

アーティストに求められる多様性への理解と社会的責任

グローバル化が進む現代、アーティストには多様性への理解と、社会的責任が求められています。

グローバル化する世界で必要な異文化理解

インターネットの発達で、音楽は瞬時に世界中に届くようになりました。MVは日本国内だけでなく、海外でも視聴されます。だからこそ表現者には、自国の常識に縛られない多角的な視点が必要なのです。自分たちと異なる文化的背景を持つ人々への想像力を持つことが、これからのアーティストには欠かせません。

グローバル化とは:人、モノ、金、情報が国や地域を超えて世界規模で結びつき、世界の一体化が進むことを表します。

表現者としての自覚と影響力の大きさ

Mrs. GREEN APPLEは人気バンドであり、多くのファンを持ちます。彼らの発信する表現は、社会に大きな影響力を持ちます。だからこそ表現者には自覚が求められます。無自覚に差別的表現を発信してしまえば、人々の差別意識を助長しかねません。自分たちの表現が社会に与える影響を常に意識し、責任を持って行動しなければならないでしょう。

まとめ:Mrs. GREEN APPLE、MVが公開停止に追い込まれた経緯とは?

Mrs. GREEN APPLEの新曲『コロンブス』MVをめぐる一連の騒動は、表現者に求められる多様性への理解と社会的責任について考えさせられる出来事でした。グローバル化が進む現代、アーティストには自国の常識に縛られない国際的な視野が必要です。自分たちの表現が社会に与える影響を自覚し、多様性を尊重する姿勢を持たなければなりません。この炎上を他山の石として、表現者は歴史と文化への理解を深めていかなければならないでしょう。

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